第2話 鑑定印はお守り
皆、先ほど申し上げたように「そんな魔法のような印鑑はあり得ない。」と思いつつ、同時に「これで運が良くなりますように」と、願っているところがあるのではないでしょうか。 これに良く似たものが日本古来からあります。
心
それは、たとえば「家内安全」「商売繁盛」「合格祈願」「交通安全」等々…で、思い出す。
そう「御守り」です。
鑑定印は「縁起物」のような、「お守り」のような 存在なのです。
例えば皆さん、初めてクルマを買ったとしましょう。車に「交通安全の御守り」を付けようと思いませんか?来年、受験だとしましょう。「合格祈願の御守り」を贈られれば、うれしくないですか? でも、交通安全の御守りを買ったからといって、どんな乱暴な運転をしても事故を起こさないとは、誰も思っていないはずです。合格祈願のお守りを貰ったからと言って、なにも勉強しなくても受験に合格するなどないはずです。
 
それでもお守りがあると何となく落ち着く、少し心の支えになる。それが鑑定印の価値です。
いままでこの話をお読みになり「なんだ、そんなものか」と思われた方がみえると思いますが、それって、重要な事だと思います。大切な事だと思います。
自動車の中のお守りをふと見た時、「そうだ安全運転しなくては」と思うとか、勉強机の前にさげてある「合格祈願」の文字を見て「よし勉強頑張ろう」とか思う事、それが大切な役目で、それが十分な存在だと考えます。そんなことが鑑定印でもあります。  以前、中日鑑定印をお買い求めになられたお客様が、「印鑑を作ってもらってから娘の縁談もトントン拍子できまり、良いことづくめで本当によかったわ」とお手土産をもってお礼にみえる方がございました。
これは私個人の考えですが、たぶん、鑑定印を作られて、「これできっと良いことがある」という思い。その思いが実を結んだのだろうと思います。
そういう事があるから中日鑑定印は、普通のはんこより少しだけお高いのですが、人気があり売れているのだと思います。・・・・これで鑑定印のココロの話は終了です。次は「どうして銀行印は横彫りなの?」「どうして、実印はフルネーム?」のお話です。